30年前、「スコットランドに勝てる」と言った人がいた
今から30年前、ラグビー日本代表監督の就任記者会見で「スコットランドには勝てると思います」と言った人がいた。
彼の名前は宿澤広朗。当時、住友銀行の部長代理でもあった。
もちろん誰からも相手にされなかったが、その年のテストマッチでスコットランドに勝った。
奇跡が起こったのである。
試合後に放った第一声は「お約束通り勝ちました。ね、だから言ったでしょ?しっかり守れば勝てるって。」
この金星は30年間語り継がれたが、語り継がれたということは、それ以降勝っていないということでもあった。
そして30年後、日本でW杯を開催する時がやってきた。
今では、日本を応援する皆が「スコットランドに勝てる」と何となく思っている。
そして勝った。しかもW杯の舞台で勝った。もう、奇跡でも何でもない。
「努力は運を支配する」
ラグビーの競技中、楕円形のボールはどこに跳ねるか分からないから、勝負には運が付きまとう。
しかし極限の努力はその運すらもコントロールできるというのが、宿澤監督の持論だった。
宿澤監督は日本ラグビー協会の強化委員長だった頃、当時日本サッカー協会の会長だった川淵三郎さんにこう言った。
「サッカーより先に、ラグビーがW杯でベスト8になりますよ。」
日本ラグビー、ベストエイト進出誠におめでとうございます㊗️
— 川淵三郎(日本トップリーグ連携機構会長) (@jtl_President) 2019年10月13日
番狂わせではなくて相手を凌駕するタックル、パスワーク、分厚い守備は世界レベルの実力そのもの。次の試合も楽しみ‼️
今は亡き宿沢さんが、サッカーより先にベスト8になります、と僕に言った言葉が現実になった。宿沢さん、参りました!
55歳でこの世を去った宿澤監督。
今頃天国で、何と言っているだろうか。
恐らくだが、平尾キャプテンに向かって「ね、だから言ったでしょ?」と話していることだろう。