風のままに進むんだ

美しく帆を張れ!ここに書いたものが遺言だー!

ベートーヴェン ピアノソナタ21番(ヴァルトシュタイン)

ベートーヴェンの名を知らぬものはいないだろう。
彼が生涯、耳の病に苦しめられていたことを知る人も多い。

30歳を過ぎ、だんだんと耳が聞こえなくなっていったベートーヴェンは、失意のあまり自殺を考えるようになる。

しかし彼は生きることを模索し、必死でもがき、命の力を取り戻した。
そして、数々の超傑作を立て続けに世へ送り出す。

その一つが「ヴァルトシュタイン」である。
1楽章冒頭のトレモロは命の鼓動であり、生命の力強さだ。


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エミール・ギレリスの、無骨だが野暮ではない、力強い演奏がぴったりである。

ヴァルトシュタインは「理想郷」だ。
現実の生命はか弱く、吹けば消えてしまうようなものかもしれない。
しかし、少なくとも僕は理想を追い求め、強い生命への憧れを口にする。
それは僕の信念のようなものだ。

弱い存在は、奈落に落ちることもあるだろう。
しかし、そこから這い上がった命は強い。
その命こそが、強い生命なのかもしれない。

現実に打ちひしがれ絶望している人は、是非とも自分の鼓動を、1楽章冒頭の刻みと重ねて欲しいと思う。