風のままに進むんだ

美しく帆を張れ!ここに書いたものが遺言だー!

札幌交響楽団 東京公演 於:サントリーホール

サントリーホールで行われた、札幌交響楽団の東京公演を聴きに行った。



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会社の先輩に誘って頂いた。
その先輩には良くしてもらっていて、感謝である。
(職場に年の近い女性の先輩が少ないので、いつもその先輩に甘えてしまっているが…)


北の大地の締まった空気を思わせる清澄な弦のアンサンブル、雄大で厳しい自然を彷彿とさせる金管・打楽器の響き、森の動物の鳴き声のようなワクワク感に溢れた木管
演奏から、北海道という地域性を感じたのは気のせいだろうか。

曲はモーツァルトのセレナータ・ノットゥルナ、ベートーヴェンのピアノ協奏曲4番、ブラームス交響曲2番だった。

その中でもベートーヴェンのピアノ協奏曲4番は、僕は特に思い入れのある曲だ。

数年前にとある演奏会に出た時、この曲が演目になっていた。
僕はこの曲には乗らずステージ裏で聴いていたのだが、なんと素晴らしい曲かと思った。

ソリストの方も道産子で、華奢な体から力のある和音を出してオーケストラとやり取りしたかと思えば、急にテンポダウンして雪の結晶みたいな繊細さを見せてくる、自由自在の演奏だった。



ベートーヴェンのピアノ協奏曲と言えば、かの5番「皇帝」が有名である。
圧倒的な威厳と華麗な進行で、ピアノ協奏曲と言えばこの曲、というぐらいの地位を築いている。

対する4番は、5番に比べれば地味な印象があるかもしれない。
おっとりしているし、スポットライトを浴びているわけではない。

しかし、この曲は恐ろしいエネルギーを秘めている。
落ち着いたピアノソロから入る1楽章の冒頭、静謐ながら内側で燃えるような何かを感じる。
オーケストラと対話するためにトレモロ等の音響効果を駆使している点も見逃せない。
2楽章の緊張感溢れる対峙から、アタッカで入る晴朗な3楽章は、思わず外に駆け出したくなるようなリズム感だ。

派手ではないが、こみ上げてくる感動を抑えられない曲である。





カナダのピアニスト、グレン・グールドが素晴らしい演奏を残している。
ピアノソロとオーケストラの間だけではなく、ピアノソロの右手と左手の間でも対話がある。

レナード・バーンスタインとは音楽の解釈を巡って対立したこともあったが、この曲に関しては抜群のコミュニケーションを取っている。

なんと素晴らしい演奏だろうか。