風のままに進むんだ

美しく帆を張れ!ここに書いたものが遺言だー!

カラヤン・シネマクラシックス「伝説」を見て

tonpeym.hatenablog.jp

以前触れた、カラヤン・シネマクラシックス「伝説」を見に行ってきた。

曲目はリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」と、ベートーヴェンの「交響曲5番『運命』」、オーケストラはベルリン・フィルだ。指揮はもちろんカラヤン

会場は映画館だが映像は4:3で、おまけみたいなものだ。
カラヤンの瞑想的な指揮は健在。1980年代のライブ録音なので、死の5年ほど前ということになる。映像はカラーだ。
運命の映像には1stヴァイオリンが12台、チェロが8台、コントラバスが5台、トランペットが4本映っていた。3管以上の巨大編成である。

肝心の音であるが、想像以上の感動だった。
天井や壁に無数のスピーカーがついていたが、いくつあるのだろうか。
金管や打楽器は迫力を伴って聴こえるし、木管は繊細な部分まで感じることができる。

一番の収穫は、弦のレガートがとてもクリアに聴こえたことだ。レガートはカラヤンの代名詞みたいなものだが、自分はあまり好きではなかった。
小学生が絵の具を紙に塗る感じで、他の音も塗りつぶしてしまうように、ベタッと聴こえていたからだ。

しかしドルビー・アトモスで聴くと、書道の筆書きのような躍動感(とめ・はね・はらいのようなもの)が得られる。一つの音を伸ばしているが、音の輪郭と芯・始めと終わりがそれぞれ感じられるのだ。

僕は、カラヤンの弦は人数を増やしてマスな響きを追求していると思っていたが、この日聴いたものは恐ろしくアンサンブルが細かかった。
恐らく生で聴いた姿はこうなのだろうが、一般家庭で使われている普通の音響では、このアンサンブルの細かさを拾い切れていないのだと思われる。

例えば、ベートーヴェンの運命で、チェロバスから始まる3楽章のトリオは迫力・細やかさ共に一級品だ。
ここまでの爽快感を感じることは、日常ではなかなかない。

なんとなくではあるが、カラヤンに対する誤解が解けた気がして、とても嬉しかった。

カラヤン・シネマクラシックス」シリーズは来年にかけてまだ続くので、興味がある曲目にはまた足を運びたい。