風のままに進むんだ

ここに書いたものが遺言になる予定

ジェイコブ・デグロムが見た景色と、彼を見た我々含む皆が見ているもの

ジェイコブ・デグロム投手の成績は、今年のメジャーリーグ最大の関心事と言っていいかもしれない。

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先発26試合連続で3失点以下という圧倒的な安定感、防御率は1.71だ。イニングも200に迫り、奪三振は優に200を超える。
しかし、なんと8勝9敗と負け越している。

ここで問題になるのが、彼は投手最大の栄誉であるサイ・ヤング賞に輝けるかということだ。
かつては13勝12敗のフェリックス・フェルナンデスが受賞したことがあったが、先発投手が負け越しての受賞は例がない。

予想しにくいのは、選考が記者投票という点だ。日本の沢村賞は選考委員がおり、また15勝以上・防御率2.50以下などの基準があるが、サイ・ヤング賞は記者投票である。基準はないに等しい。

そしてサイ・ヤング賞は日本の沢村賞と違い、候補者を先発投手に限定していない。かつてはクローザーのエリック・ガニエも受賞している。

つまり時代によって世論が変わるのだ。デグロムが受賞すれば、時代が変わったと言えるかもしれない。

日米のMVP投票も、似たようなものである。どんなに圧倒的な成績を残しても、チームが最下位だと印象が悪い。
しかし、ヤクルトのウラジミール・バレンティン選手がシーズン60本塁打を放ち、チームが最下位だったのにMVPを受賞したことがあった。

記者投票系のアワードは美人コンテストに似ている。美しさとは主観的なものであるから、有権者同士が駆け引きして形成された世論が大事ということだ。
(余談だが、ITが普及する前の為替ディーリングもそうであったらしい。)

つまりは、イメージで決まる。人間の人間に対する評価の仕方なんてその程度だと思うが、それが人生を決めることもあるのだ。