風のままに進むんだ

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譜上のルーズベルト・ゲーム バルトーク ピアノ協奏曲第2番

バルトークという作曲家がいる。

ルーマニア民族舞曲というのを書いているのでルーマニア人かと思ったら違うらしい。もしかしてその頃ルーマニアハンガリーだったのかもしれないが、教養のない僕には分からない。

 

バルトークピアノ協奏曲第2番は史上屈指の演奏難易度とされる。僕はピアノが弾けないが、曲を聴くと難しいと言われている理由が何となく分かる。ピアノの打鍵が非常に断片的で、スピードは総じて速いが加減速も多い。和音は複雑な上、調性も不安定なのでオーケストラとの絡みが非常に難しそうである。

 

しかも、第1楽章は5部の弦楽器(1stバイオリン、2ndバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス)の出番が全くない。弦楽器がないとポリフォニックさが失われるから、旋律に奥行きを出せるピアノの力が非常に試されやすい曲になっている。

 


Anda / Fricsay - Bartok piano concerto No 2 Mvt 1

 

50年以上前の録音だが、僕はゲザ・アンダ/フレンツ・フリッチャイ ベルリン放送交響楽団(1960年)の演奏が好きだ。

ハンガリーのピアニスト、アンダは破滅的になりがちなバルトークの旋律を落ち着いて制し、それでいて理性を保ちつつも激しく振る舞う。フリッチャイの指揮は夥多な響き達の中、どこか虚無的な諦観を見せる。管と打だけでこれを引き出すのは非常に難しい。

 

この後に2楽章・3楽章と続くが、何とも破天荒な曲だ。余談であるが、音楽プレイヤーによっては、この曲のCDを取り込むと「クラシック」ではなく「現代音楽」のジャンルで読み込まれることがある。

 

想像を絶する黒玉音符の打ち合い、まさに譜上のルーズベルト・ゲームと呼ぶに相応しい楽曲だ。